保険調査会社の営業?
学生の方にはイメージしづらい仕事かもしれませんね。入社して最初に配属された大阪と、現在勤務する東京で営業をしてきた私が、皆さんに少しご説明しましょう。
お客様は、損害保険会社さん。私は、三大メガ損保グループの一つを担当しています。ほぼ毎日、2~5社くらいのお客様を訪問します。いわゆる「ルート営業」なので、「飛び込み」のような形式はありません。お会いするのは、主に保険会社の損害サービス担当部門の方々です。そこで調査事案の依頼があり、受託。その後、実際に事故調査を行う調査員を手配、調査の進捗を管理し、最終的には調査員がまとめたレポートをチェックしてお客様にお届けします。
当社の営業は、依頼のあった事案の内容や難易度によって最適な調査員を選任し、お客様が何を重点的に調査してほしいかを正確に伝える「コーディネーター」的な役割です。正確でお客様の要望に沿ったレポートが上がってきたときは達成感がありますし、お客様から感謝されたときは嬉しいですね。
一つの調査にかかる期間は2週間~1ヶ月程度。常時100件以上の事案が並行して走っているので、効率よく業務を進めなければいけません。社会的な出来事や天候なども仕事量に影響を与えます。災害が起きたり、大雨・強風・積雪などの日は事故が増え、保険会社さんは多忙に。多少タイムラグはありますが、調査の仕事も忙しくなる。私たちが比較的ヒマなときは、世の中が平和だという証拠かもしれませんね(笑)。
私は学生時代にバイクで事故を起こしたことがありました。幸い大事には至りませんでしたが、そのとき自分が調査を受けた経験があり、この業界に興味を持ちました。最初は調査職志望でしたが、今は営業のほうが「楽しい」と思っています。同じお客様と継続的にお会いし、プライベートのお話などもしながら、コミュニケーションを深めていけます。女性の担当者が多いので、話題を豊富に持てるよう、テレビのワイドショーは必ずチェック!(笑)。そうして良好な関係を築いておけば、新たな調査依頼につながります。
難しいのは、やはり自動車事故の過失割合の提案ですね。普通、幹線道路を走っていた車に路地から出てきた車が衝突したといったケースでは、幹線道路のほうの過失が「10」、路地からの車が「90」程度になるのですが、幹線道路の車が前の車両を追い越すためにセンターラインを超えて走っていたとなると、割合が完全に逆転してしまうこともある。私が実際に大阪で手がけた事案です。
過失割合の検討を「審査」というのですが、その作業は上司である支社長がデスクで行っています。しかし、支社長が審査のたびに現場に出向くことは出来ないので、審査は調査員が実施した調査レポートに基づいて行います。従ってその調査レポートは正確で公平・公正な観点から作成されたもので無くてはなりません。その両者のパイプ役となるのが私の仕事です。更に私はその過失割合と調査レポートをお客様である保険会社様へお届けして説明するという仕事も受け持ちます。つまり私のような営業職はその三者を取り持つという重要な役割を担っており、営業職とはある意味「コーディネーター」のような存在でもあります。
最近では私が自ら審査してお客様へ直接お届けするということも増えてきました。尊敬できる上司の下で更に経験を積み、支社長という「マネージャー」を目指していこうと思っています。当社は上下の風通しもよく、和気あいあいとした雰囲気。そんな社風も気に入っています。